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猫のフィラリア予防薬あげ忘れ – 検査は必要?リスクと対処法をご紹介

猫にフィラリア予防薬をあげ忘れた場合は、気づいた時点ですぐに投薬してあげましょう。
猫はフィラリア検査を行ってもフィラリアの寄生が確認されないことが多いため、検査なしで投薬が可能です。
猫にフィラリア予防薬をあげ忘れた際のリスクや対処法を紹介します。

猫にフィラリア予防薬をあげ忘れた場合のリスク

猫にフィラリア予防薬を与え忘れると、感染リスクが上昇します。
感染すると初期段階は無症状のことが多いですが、症状が進行するにつれて軽い咳や食欲不振などの症状が起こります。最悪の場合は死に至ることもあります。

特に夏場は蚊が活発になり、感染しやすくなるので投薬を忘れないように注意が必要です。
室内飼いの猫も油断はできず、感染猫の約4割は室内飼いの猫というデータも報告されています。

参考:ゾエティスジャパン(株)

あげ忘れに気づいたらすぐに投薬する

猫にフィラリア予防薬をあげ忘れたと気づいたら、できるだけ早く投薬することが重要です。
投薬していない期間が長いほどフィラリア症に感染する可能性が高くなるので、感染リスクを最小限にするためにも早めに対処しましょう。
あげ忘れで投薬予定日より遅れて投薬した場合、次回の投薬日は実際の投薬日から1ヵ月後に行いましょう。

投薬予定日:5/6(あげ忘れ)
実際の投薬日:5/11
次回投薬予定日:6/11

あげ忘れた場合は検査なしで投薬可能

猫にフィラリア予防薬をあげ忘れた場合でも、必ずしも検査が必要ではありません。
フィラリアは猫の体内では長生きできないことが分かっており、自然に消滅することがあります。
また、生き残る数も少ないため検査では偽陰性がでることが多く、正確な判断が困難です。
そのため、猫の場合は検査なしでも投薬することが可能となっていますが、不安な方は獣医師から指示を仰ぎましょう。

感染の有無は見た目では判断できない

フィラリア症の初期段階では無症状なことが多く、検査でも判断が難しいうえ、見た目にもほとんど変化がありません。
症状が進行すると乾いた咳や食欲低下などの症状が現れることもありますが、健康に見えることが多く、フィラリア症の感染に気付かないことも珍しくありません
亡くなった後に解剖を行うとフィラリア症だったという例も多くあります。
呼吸困難、血尿、腹水など顕著な症状があればフィラリア症と判断することもできますが、ほとんどの場合は他の病気でも現れる症状のため、見た目でフィラリア症と判断することが難しくなっています。

あげ忘れを防ぐ方法

フィラリア予防薬のあげ忘れを防ぐ方法を紹介します。
日常的にすぐできることを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

投薬予定日にあげ忘れそうなら日付を早めて投薬する

フィラリア予防薬は毎月同じ日に投薬すると決まっていますが、投薬予定日にあげ忘れそうであれば覚えているうちに投薬しましょう。
投薬予定日に近い日付であれば副作用の心配も少ないため、忙しい方などは日付を早めて投薬しましょう。
1度に2ヵ月分を与えても2ヵ月分の効力が得られるわけではありません。
副作用が強く出る可能性があるので、1度に与える用量は守りましょう。

カレンダーに投薬日を記載する

カレンダーを毎日確認する方におすすめな方法です。
フィラリア予防薬の投薬日をカレンダーに書き込むだけでも、あげ忘れ防止になります。
毎月同じ日に目立つマークを入れておくだけでも、確認するクセがつく効果的な方法です。

また、カレンダーにポケットがついている「お薬カレンダー」もおすすめです。
目立つとこにかけておけば、飲み忘れを防ぐのに活用できます。
100円ショップや楽天、アマゾンなどで簡単に購入することができます。

スマホのリマインダー機能を使う

スマートフォンのリマインダー機能にあらかじめ投薬日を設定しておけば、投薬日にお知らせ通知をしてくれます。
通知を行う時間帯なども設定でき、家にいる時間帯を設定することであげ忘れ防止に活用できます。
リマインダー機能を使う際は投薬する期間分を最初に入力しておくと便利です。
使いやすいアプリも多くあるため、自分に合ったものを使うことができます。

自動給餌器を活用する

錠剤タイプのフィラリア予防薬であれば自動給餌器で投薬することが可能です。
事前に餌の中にフィラリア予防薬を混ぜておけば、設定した時間帯に自動で餌が出てきます。
自動であげ忘れを防げる点はメリットはありますが、自動給餌器は24時間内でしか設定できないものが多いため、前日にフィラリア予防薬を仕込む必要があります。

動物病院に行く時間がないという方は通販で購入

忙しいなどの理由で「動物病院になかなか行けない」という方は通販がおすすめです。
通販なら動物病院に行く必要もなく、自宅にフィラリア予防薬が届きます。
動物病院で処方されているフィラリア予防薬も取り揃えているので、これまで動物病院で処方されていた予防薬を購入することも可能です。
獣医師の診断も不要でスマホ・パソコンから簡単に購入することができます。

猫のフィラリア予防薬のあげ忘れでよくある質問

ここからは、猫のフィラリア予防薬のあげ忘れでよくある質問を紹介します。

猫にフィラリア予防薬をあげ忘れました。何日遅れると危険ですか?

前回の投薬日から50〜60日以上経過していると危険です。フィラリアは50〜60日以上経過すると成虫になり、フィラリア予防薬が効かなくなる可能性があります。猫の体内でフィラリアは長生きできないと言われているが、稀に心臓や肺にまで寄生することもあるためしっかり対策することが必要です。

猫にフィラリア予防薬を2ヵ月あげ忘れてました。検査は必要ですか?

検査なしで投薬することはできますが、心配であれば獣医師に相談しましょう。猫の場合、フィラリア検査を行っても偽陰性が出る可能性が高く、フィラリア症の判断が困難です。

フィラリア予防薬を投薬したか忘れたのでもう1本投薬してもいいですか?

フィラリア症の感染を防ぐためにも投薬してあげましょう。多くのフィラリア予防薬は一度に倍以上投薬しても安全なように製造されています。レボリューションの臨床試験では、6週齢のアメリカンショートヘアー40頭に対し、常用量の10倍量までを28日間隔で7回投与を行いましたが、「本剤投与に関連する顕著な影響は認められず本剤の安全性が確認された。」と記載されています。

下記ページの「添付文書」からご確認いただけます。
https://www.vm.nval.go.jp/public/detail/4530