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猫のフィラリア症の感染原因は蚊 – 感染しやすい飼育環境

フィラリア症は犬だけでなく、猫にも感染する病気です。
蚊を媒介とするため感染しやすく、10頭に1頭は感染していると言われています。
感染すると嘔吐や息切れなどの症状だけでなく、突然死する場合もあります。
フィラリア症の原因や感染しやすい飼育環境について紹介します。

猫がフィラリア症に感染する原因は蚊

フィラリア症は猫の体内にフィラリアが寄生して発症する病気です。
フィラリア症の感染は蚊が媒介となっており、蚊の吸血時にフィラリアが猫の体内に侵入することでフィラリア症が発症します。
全ての蚊から感染するのではなく、フィラリア症に感染した猫や犬を吸血した蚊から他の猫に感染します。
フィラリア症は蚊を媒介した時にのみ感染し、猫から猫への感染はしません。

  • 蚊の吸血でフィラリア症に感染する
  • フィラリア症に感染した犬を吸血した蚊が他の犬にフィラリア症を感染させる
  • 蚊以外からは感染しない

下記の画像は犬を例として挙げてますが、感染経路は犬と猫どちらも同じです。

フィラリア症の感染経路

夏場や水辺の近くはフィラリア症に感染しやすくなる

フィラリア症の感染を広める蚊は、地域によって異なりますが4月~11月が活動期間と言われています。
特に夏場は蚊が活発になり、フィラリア症に感染しやすくなるため注意が必要です。
また、蚊は気温15℃以上で活動するため、沖縄のような暖かい地域は1年中蚊が活動していることもあります。
14℃以下になると活動が低下するため、寒い地域ではフィラリア症の対策期間は短くなります。

他にも家の周りに池や森林などがある場合も、フィラリア症に感染しやすい環境です。
水辺や水たまりがあるような場所は蚊の産卵場所になっており、蚊が大量発生しやすく感染しやすくなります

室内飼いの猫でもフィラリア症に注意する

室内飼育の猫は、屋外飼育や外に出る猫に比べてフィラリア症に感染する確率は下がりますが、感染しないというわけではありません。
フィラリア症に感染した猫の約4割が室内飼育との報告もあり、蚊を媒介としたフィラリア症はどのような環境でも感染する可能性があります。
玄関の開閉時や部屋を喚起する際の窓の開閉など、蚊が家の中に入ってくる状況は多くあるので、室内飼育でもフィラリア対策は行うようにしましょう。

野良猫や保護猫の場合

野良猫や保護猫はフィラリア症に感染している可能性が高くなります
野良猫は屋外で生活していることやフィラリア予防も行っていないため、感染率が高くなります。
保護猫も野良猫が保護されるケースが多いため、フィラリア症に感染している可能性があります。
保護猫は保護施設で飼育されているため感染していないように思えますが、全ての保護猫がフィラリア予防や治療が行えているわけではありません。
猫はフィラリア症に感染しても無症状なことが多く、一見元気なように見えても、感染している場合もあります
症状が分かりづらいことや突然死する可能性もあるため、野良猫や保護猫を飼育する場合は早めに検査を行いましょう。

猫のフィラリア症の症状

猫はフィラリア症に感染しても無症状なことが多いです。
症状が現れにくいため、感染に気付かないこともあります。
軽度な症状では、軽い咳や食欲不振などの症状が現れますが、最悪の場合死に至る可能性もあります。

猫のフィラリア症について詳しく知りたい方は、以下のページをご確認してください。

猫のフィラリア症の治療方法

猫のフィラリア症を治療するには、治療薬の投薬と手術があります。
治療薬による治療が一般的で、体内にいるフィラリアを駆虫することで治療を行います。
治療薬での治療は、数年かけて行うこともある治療法ですが、猫への負担が少ない方法です。
手術では、特殊な器具で心臓からフィラリアを取り除きます。
全身麻酔や心臓を切開するため、猫への負担も大きく、術後のケアも必要になるリスクの高い治療方法です。

猫のフィラリア症の予防方法

猫のフィラリア症の感染を防ぐには、フィラリア予防薬が最も有効な方法です。
予防薬にはフィラリアを駆除する効果があるため、フィラリア症の発症を抑えることができます。
猫のフィラリア予防薬は投薬が簡単なスポットが一般的で、ノミやダニも同時に駆除できるものもあります。
蚊取り線香や蚊よけスプレーなどの蚊よけ商品も有効的ですが、駆除効果がなく、確実に蚊に刺されないわけではないため、フィラリア予防としては使用しないようにしましょう。

愛猫がフィラリア症の疑いがある場合

フィラリア症は猫が突然死することもある危険な病気です。
蚊を媒介として感染するため、どのような環境でも感染する可能性があります。
感染期間が長くなるほど、治療が困難になるので早期発見が重要になります。
愛猫にフィラリア症のような症状が現れたらすぐに病院を受診しましょう。

猫のフィラリラ症のよくある質問

ここからは、猫のフィラリア症に対するよくある質問を紹介します。

室内飼いでもフィラリア症に感染しますか?

室内飼いの猫でも感染します。
蚊を媒介とするため、どのような飼育環境でも感染する可能性があります。
感染猫の約4割は室内飼いの猫という報告もあります。

野良猫を拾ったのですが、フィラリア症に感染している可能性はありますか?

感染している可能性はあります。
猫は感染してても無症状の場合や他の病気と症状が見分けがつかないため、まずは動物病院で健康状態を検査してみましょう。

猫のフィラリア症は治りますか?

完全には治りません。フィラリアによってダメージを受けた心臓や肺は元の状態に治ることがありません。
早期発見ができれば、身体へのダメージは軽減できるため、早めに治療を行いましょう。