犬にとってフィラリア症は身近な感染症です。
感染しやすいうえに、重症化すると血尿や失神、最悪の場合死に至る恐れもあります。
ここでは、フィラリア症の原因や感染しやすい環境について紹介します。
フィラリア症の原因を知ったうえで適切な対策を行いましょう。
OL・ホステス・ペットライターの3つの顔を持つ。
実家住まいであり、現在は両親と愛犬のダックスフンドと仲良く暮らしている。
小型犬の飼育経験が多く、小型犬ならではの悩みや病気に関する知識も豊富。
調理師免許も持ち、休日には愛犬のご飯を手作りする一面も。
犬がフィラリア症に感染する原因は蚊
フィラリア症は蚊が感染源の病気です。
蚊が吸血した時に、犬糸状虫という寄生虫が寄生することでフィラリア症を発症します。
フィラリア症に感染している犬を吸血した蚊が、感染していない犬を吸血することで犬糸状虫が 体内に侵入し、感染します。
犬糸状虫は蚊を媒介にした時のみ感染し、犬から犬へ感染することはありません。
- 蚊の吸血でフィラリア症に感染する
- フィラリア症に感染した犬を吸血した蚊が他の犬にフィラリア症を感染させる
- 蚊以外からは感染しない
犬がフィラリア症に感染しやすい環境
犬がフィラリア症に感染しやすいのは以下のような環境です。
- 気温が暖かい地域
- 屋外飼育
- 森林、池が近い
- 多頭飼い
など
フィラリア症に感染しやすい犬種や年齢はありませんが、活環境や地域によって感染のしやすさは大きく影響します。
特に水たまりの多い森林や池などの水辺には、蚊が大量に発生しやすいので注意が必要です。
また、蚊の活動期間は一般的に4月~11月までと言われてますが、温かい地域では活動期間が長くなります。
沖縄のような地域は寒い時期でもほとんど15℃を下回ることがないため、1年中蚊が活動している場合もあります。
多頭飼いをしている方は、1匹が感染していると他の犬も同じ蚊に刺されてフィラリアに感染している可能性があるので早めに検査を受けましょう。
犬のフィラリア症の症状
犬がフィラリア症に感染しても、すぐに症状が現れるわけではありません。
目立った症状がないため感染に気付かないことが多く、いつの間にか重症化していることもあります。
軽度な症状としては、軽い咳や散歩を嫌がるようになります。
重症化すると、血尿や失神など分かりやすい症状が現れ、最悪の場合死に至ります。
犬のフィラリア症の症状について詳しく知りたい方は、以下のページをご確認してください。
愛犬がフィラリア症の疑いがある場合はすぐに動物病院へ
フィラリア症は治療が遅れるほど症状が悪化する感染症です。
重症化するほど犬への負担が大きく、手術も困難になります。
フィラリア症の疑いがある場合は、早めに動物病院を受診して早期発見に努めましょう。
犬のフィラリア症の治療方法
フィラリア症の治療には、内服薬で駆虫するか、手術で取り除く方法があります。
内服薬での治療には、駆虫薬が用いられ、心臓や体内に寄生した犬糸状虫を死滅させて治療を行います。
駆虫薬にも種類があり、健康状態や年齢などを考慮した治療が可能です。
手術では、心臓に寄生した犬糸状虫を特殊な器具で取り出します。
全身麻酔を施して心臓の切開を行うため、犬への負担も多く、リスクの高い治療方法です。
犬のフィラリア治療について詳しく知りたい方は、以下のページをご確認してください。
犬のフィラリア症に最も有効な予防方法
フィラリア症に感染しないために最も有効的な予防方法は、フィラリア予防薬を投薬することです。
予防薬には犬糸状虫を駆除する効果があり、適切に投薬することでフィラリア症の発症を抑制します。
蚊取り線香や蚊よけスプレーなども感染予防として有効ですが、確実に刺されないという保証もなく、駆除効果もないため、推奨されていません。
フィラリア症は危険な感染症
フィラリア症は命を落とすこともある危険な感染症です。
感染しやすいうえに、感染初期は無症状と気づきにくいため、早い段階で予防しておくことが大事になります。
万が一、愛犬にフィラリア症の症状が現れたら、すぐに動物病院を受診しましょう。
フィラリア症は治療が遅れるほど、症状が悪化し、治療が困難になる病気です。
愛犬の健康を守るために、フィラリア予防はきちんと行いましょう。
フィラリア症のよくある質問
ここからは、フィラリア症のよくある質問を紹介します。
フィラリア症に感染する確率は?
フィラリア予防をしない場合、1年目約38%、2年目約89%、3年目約92%で感染確率があがるという報告があります。
室内飼育では屋外飼育より感染確率は低下しますが、感染しないわけではないのでフィラリア予防は行いましょう。
多頭飼いですが、1匹がフィラリア症になってしまいました。他の犬も検査すべきでしょうか?
他の犬も検査すべきです。
多頭飼いの場合、1匹が感染しているのであれば、他の犬も感染している可能性があります。
元気に見える場合も感染初期のため、症状が現れていない可能性があるので、検査を受けましょう。
フィラリア症は治りますか?
完全には治ることはありません。
治療を行っても、ダメージを受けた心臓や内臓は元の状態には戻りません。
手術の場合は、心臓を切開するため、術後は身体的なケアも必要になります。
ドッグランなどで他の犬からフィラリア症に感染しますか?
フィラリア症は犬から犬へは感染しません。
蚊を媒介として感染します。
フィラリア症に感染した状態で予防薬を飲ませても大丈夫ですか?
個人的な判断で感染犬にフィラリア予防薬は投薬しないでください。
アナフィラキシーショックを起こす可能性があります。
フィラリア症の治療は必ず獣医師の指示に従って行ってください。