猫に寄生するダニには、いくつか種類が存在します。
有名なマダニは様々な病原体を媒介し、愛猫だけでなく飼い主さんの命に関わる病気を引き起こす危険性もある恐ろしいダニです。
またその他の種類のダニも、猫に様々な病気をもたらすため厄介な存在であることに違いはありません。
ここではダニによるリスクを少しでも回避するため、猫にダニがいるか調べる方法から、見つけたときの対処法・NG行為などを説明していきます。
猫が好き過ぎて、現在猫を中心としたコンテンツを発信しています。
小さい頃から育ててきた愛猫が3匹いて、2匹は野良猫から育てました。
今のように元気になるまでには色々あって結構苦労したので、その経験をもとに少しでも役に立つ情報を提供出来たらなと思っています。
愛猫家による愛猫と幸せに暮らすための知識を紹介していきます!
猫にダニがいるか調べる3つの方法
ダニの多くは非常に小さく、目で見ただけでは猫にダニがついているかは判断できません。
そこで、猫にダニがいるかを調べる3つの方法をご紹介します。
しぐさを見る
まず猫がダニに寄生されると、激しいかゆみや不快感を引き起こします。
愛猫に次のようなしぐさが見られたら、もしかするとダニが付いているかもしれません。
- 何度も耳や身体を掻く
- しきりに頭やお尻を振る
- 身体を壁や床にこすりつける
- 常に落ち着きがない
- 突然身体を起こして搔き始める
- なぜか怒りっぽくなった
ブラッシングを行う
目の細かいブラシ(コーム)等でブラッシングした時に、黒っぽいゴマのように見える粒がブラシに付いてくることがあります。
このゴマのような粒は、もしかするとダニである可能性が考えられます。
例えばマダニのように比較的サイズの大きいダニは、被毛に入り込んでしまう前にブラッシングをすることである程度の除去が可能です。
しかしダニの中には猫の身体に入り込んでしまう種類も存在するため、ブラッシングだけで完全に除去することは難しいことを覚えておきましょう。
猫の身体を確認する
猫がダニに寄生された場合、猫の身体に様々な変化が見られます。
普段あまり見せたことがないようなしぐさ以外にも、猫の身体に下記のような変化が確認されたらダニに寄生されている可能性が高くなります。
- 発熱
- 嘔吐、下痢
- 皮膚をかき壊す
- 皮膚炎症状が悪化する
- 大量のフケ
猫の身体にダニを見つけた時のNG行為
もしも猫の身体にダニあるいは何らかの虫が寄生していたら、一番やってはいけないのは潰してしまうことです。
潰した虫が吸血後のマダニだった場合、マダニの身体の一部が噛まれた猫の皮膚内に残ってしまうことがあります。
また卵を持ったメスのダニやノミだった場合、潰したことで大量の卵が室内に飛び散ってしまう可能性も考えられます。
猫の身体にダニを見つけた時の対処法
マダニの場合、一度吸血を始めると皮膚から取り除くことはとても厄介です。
ミミダニの場合は、激しい痒みに襲われます。
少しでも寄生のリスクがある場合は、しっかり対策を取りましょう。
定期的にダニの駆除薬を使用する
もしも愛猫にダニを見つけてしまったら、最も効果的なのはダニ駆除薬を使用することです。
ダニ駆除薬の中でも主流は1ヶ月に1度の使用で、ダニ以外の寄生虫もまとめて駆除できるタイプになります。
毎月使用することで予防にもなるので、月1での定期的な使用をおすすめします。
ただしダニには複数の種類がいるので、1剤で効かない場合は別の駆除薬を用いる必要もあります。
- オールインワンタイプ
- ノミ、マダニに効くタイプ
- ミミダニを駆除するタイプ
他の同居ペットがいる場合
1頭の猫がダニに寄生されている場合、他のペットにも感染する可能性があります。
もしくは既に感染しているかもしれません。
そのため、1頭の感染が確認されたら同居のペット全てに対策を施す必要があります。
ダニ取り用のスプーンでとる
ダニが猫の身体に寄生したばかりの段階であれば、ダニ取り用のスプーン(ティックリムーバーキット)などのグッズを使う事で取り除く事も可能です。
部屋を掃除する
吸血したメスのダニは、一度に大量の卵を産み落とします。
猫に寄生したダニを駆除しても、既に産み落とされた卵が孵化してしまうと再感染することもあります。
部屋をきれいに掃除することはもちろん、普段猫が使っているクッションやベッドなどはこまめに洗濯して、ダニの卵を除去し清潔に保つようにしましょう。
猫に寄生するダニの種類
猫に寄生するダニには様々な種類がいます。
ここでは、代表的なダニの種類を紹介していきます。
マダニ
マダニは細菌やウィルスを媒介することで様々な病気を引き起こすことがあるダニの1種です。
自然豊かな地域から住宅街まであらゆる場所に潜んでいる可能性があり、適当な湿度があれば生き延びることが出来ます。
寄生された猫はマダニに噛まれても痛みはなく、吸血されても気が付きません。
そして、一度吸血を始めるとセメントのような粘液を出して口元を固定させるため、皮膚から取り除くことが困難になってしまうのです。
またマダニは吸血を終えると、ゴマ粒ほどの大きさだったものが1~2cmほどの大きさにまで膨らみます。
マダニに寄生されると、吸血によるアレルギー性皮膚炎や貧血などの病気を引き起こしますが、最も恐ろしい病気は重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。
SFTSによる猫の致死率は高く、また人間にもSFTSによる死亡例があることが確認されています。
主な症状 | 激しいかゆみ、貧血など |
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感染経路 | 草むらや山、公園など |
主な駆除薬 | ・レボリューション:1箱3本3,500円~ ・ブロードライン:1箱3本4,600円~ ・フロントラインスプレー:1本3,600円~ |
ミミダニ(ミミヒゼンダニ)
ミミダニは、猫の耳に感染することで耳疥癬症を引き起こすダニの1種です。
非常に繁殖力が強く、耳垢や耳から出る分泌液などをエサにしながらどんどん増殖していきます。
またミミダニによるかゆみは非常に強く、猫が耳の周辺を掻き壊してしまうことで外耳炎や耳血腫を併発を引き起こすこともあります。
耳が普段より汚れている、耳をかゆがっているなどの様子が見られたら、早めに治療を始めることが大切です。
主な症状 | 耳付近のかゆみ、黒い耳垢、耳から異臭 |
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感染経路 | ミミダニに寄生されている動物との接触、猫の出生時に親猫から感染 |
主な駆除薬 | ・レボリューション:1箱3本3,500円~ ・アドボケート:1箱3本4,200円~ ・トロイイヤードロップス:1本1,600円~ |
ヒゼンダニ
ヒゼンダニは動物の皮膚に寄生し、激しいかゆみや皮膚炎が出る「疥癬症」という病気を引き起こします。
名前や症状が似ているミミヒゼンダニとヒゼンダニは、それぞれ別の種類です。
ヒゼンダニに感染することで疥癬症を発症すると、頭部や首にかけて皮膚症状が出ることが多いです。
放置していると全身に症状が広がってしまい、悪化すると皮膚が分厚くなる(エレファントスキン)こともあります。
またヒゼンダニの伝染性はとても強く、猫同士の接触はもちろん、感染した猫に使用したブラシやタオルを別の猫に使うことで感染する可能性もあります。
多頭飼いの家庭では1匹の子から他の子にあっという間に感染する恐れもあるので、治療と並行して感染対策も必要です。
ブラシやタオルなどは、熱湯やアルコールでの消毒によりヒゼンダニを除去することができます。
主な症状 | 皮膚の激しいかゆみや炎症、かさぶた、抜け毛 |
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感染経路 | ヒゼンダニに寄生されている動物との接触 |
主な駆除薬 | ・レボリューション:1箱3本3,500円~ ・アドボケート:1箱3本4,200円~ |
ツメダニ
ツメダニにも種類があり、猫への寄生を警戒するべきなのはネコツメダニという種類です。
ネコツメダニは「歩くフケ」と呼ばれることもあり、白くて小さいフケのように見える特徴があります。
このネコツメダニは直接接触で猫に感染する場合もあれば、ノミやシラミ、時にはハエが運ばれてくるなど感染するケースは様々です。
寄生されると首から背中にかけてのフケ、痂疲(かひ=かさぶた)などの皮膚症状が見られます。
痒みが出ることもありますが、その程度は一定ではなく様々です。
またツメダニは猫から人にも、20~80%ほどの確率で感染する可能性があります。
人には激しいかゆみや水ぶくれ、膿疱などの皮膚症状が出るため、皮膚科を受診しましょう。
しかし人の症状は、猫のツメダニ症の治療を行うことで自然に改善していくことも多いです。
主な症状 | しつこいかゆみ、フケ、かさぶた |
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感染経路 | 室内のカーペットや畳、布団など |
主な駆除薬 | ・レボリューション:1箱3本3,500円~ ・アドボケート:1箱3本4,200円~ |
猫にダニが寄生していたら正しい対処を
猫にとってダニに寄生されることは、ただ痒くなるだけでなく重篤な病気になり、時には命に関わる危険性をはらんでいます。
ダニの中でもマダニなど、肉眼で見つけやすい種類も存在します。
しかしほとんどのダニは非常に小さく、残念ながら肉眼ではなかなか見えないことが多いです。
そんな中でダニを早期発見するには日頃から猫のしぐさや様子をしっかり観察し、またブラッシングを欠かさないようにしましょう。
飼い主さんのしっかりしたダニ対策が、愛猫が健康で穏やかな生活を送るための秘訣になります。